歌舞伎「楼門五三桐」花爛漫の石川五右衛門 上村以和於
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これぞ歌舞伎という芝居が実はもう一つある。歌舞伎を知らない人でも知っているという意味では、こちらの方がはるかに上だろう。「絶景かな絶景かな」というセリフを、舞台を見たことがなくとも話に聞いた覚えがある人は少なくない筈(はず)だ。
石川五右衛門が南禅寺の山門から、春の夕暮れ、桜花爛漫(らんまん)の京の町を眺めながら「春の眺めは値(あたい)千金とは小せえ小せえ、この五右衛門の目からは萬両、萬々両。ハ...
長年にわたって歌舞伎の舞台を見続けている演劇評論家の上村以和於氏が、名作・名場面に隠されたエピソードや登場人物の横顔を詳しく紹介します。