もっとうまく 哲学者・永井玲衣
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「なんで人間の目ってここについているんだろう」
ある日の哲学対話で、ひとりのひとが話し出す。そのひとのまわりに座るひとたちは、じっと耳を傾ける。このひとが、どういう理由でそれが気になっているのかを、最後までしっかりきくためだ。
「頭から触角みたいなのが生えていて、そこの先に目がついていればいいのに」。そのひとの言葉に、まわりもわたしも想像を膨らませながら笑う。たしかにそうなっていたら、どうなって...
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